
2001年11月18日(日)〜11月19日(月)の冒険
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其の一 「シブガキ隊結成す!」
来た!新幹線”あさま505号”
9時18分発の長野新幹線あさま505号を待って,ボクタチは上野の新幹線のホームにいた。長い長いエスカレーターを下ってようやくたどり着く地下の新幹線のホームは,いつも不思議なニオイがする。ゴーと音がして,来た!あの鼻面は,まさしく,あさまだ!
今回の旅の目的先は,長野県渋温泉。ずっと前,雑誌で温泉街の写真を見て,是非とも行きたいナ〜と思っていたところ。それに,彼女が最近,電車に乗っていないと言い出した。ウン。そう言えば,ボクタチの旅行って,いつもケチケチしていて,温泉に行くのはいつも概ね車なんでしたっけ。旅行会社のパンフレットをいろいろ集めた結果,これがいいと思ったのが,JTBの旅行プラン。一番いい旅館で,お一人様34,100円。東京からの往復新幹線代込みにしても,超タケー!実は,ボクは,渋温泉で素泊まり3千円!の宿をインターネットでメッケて,これにしようと主張したのだが,畳が腐っているに違いないと猛反対されてしまったのである。贅沢じゃの〜。かくして,今回は1泊の温泉旅行にしては,大変な豪華旅行となった。今回の旅行隊の名称も,実に簡単に決定した。題して”みけねこシブガキ隊”。”ガキ”の部分がちょっと余計ですケド...
長野駅
座席に座って,出発前に買ったパンをパクパク食べる。おいしいね。窓から外を見ると,曇りがちの青空が広がる。こうやって,目的地に向かう時の気分は,いつもドキドキする。とても楽しいどきどき感なのだ。
軽井沢を過ぎた頃には,空はすっかり曇り空となってしまった。天気予報によると,今日は,晴時々曇らしい。まあ,仕方ないや。旅行の時は,いつだって晴れてほしいですけど,そうもいかない時もあるのさ。車内販売が峠の釜飯を売りに来る・・・ボクは生まれてこの方,一回こっきりしか食べたことがないやつ。あの時は,たぶん,まだ新幹線が出来てなかったと思う。そして,あさま号に乗り込んでから1時間36分後。終点長野駅に到着した。早い!こんなに遠いというのに,不思議なことですね。ボクタチは,大急ぎで降りて,駅員さんに「長野電鉄の乗り場はどこですか?」と聞く。「駅を出て,地下になります」・・・フーン。地下鉄なんだ。
其の二 「渋温泉への道」
長野電鉄の特急だ
運転席をのぞきこむ
古っぽいガラガラ座席
リンゴ畑だ
自動券売機で終点”湯田中駅”まで一人1,230円,特急券100円込みを買う。だって,特急にしないと,終点まで行かないんですもの。そして,暗いホームへ。なんだか,ローカルだなァ。そして,赤とクリーム色の古ぼけた特急がガタガタと入ってきた。ふっる〜い。前の新幹線の写真とは対照的である。でも,なんか懐かしい感じがするね。ボクタチは,3両しかない列車の一番前の席に陣取ることにした。乗る人は両手で数えられるくらい。椅子はカチンカチンに固くて,直角の背もたれタイプだ。背もたれを倒すことは,もちろん不可能。
11時20分。出発だ!「ガターン!ガタガタガタ」・・・電車は,気持ちよさそうにぶるぶる震えると動き出した。ボクはガラス越しに見える運転席を夢中でのぞき込む。トレインゲームみたい。ボクは鉄道小僧じゃないが,鉄道ファンの気持ちがよく分かるなァ。運転手さんは,もちろん,多数の人命を預かるのだから,緊張感も並々ならぬものだろうと思う。ホント言うと,ボクが電車の運転手さんになりたかったのだ!だって,カックイイですよね。運転手さんになれば,美人の乗客モテモテ間違いなし。
この電車は,特急とは言っても,全然早くない。せいぜい各駅停車じゃない電車と言ったところ。何駅か通り過ぎると,電車は外へ出た。だんだんと,田舎っぽいいい景色となる。窓からは,リンゴ畑が!真っ赤で大きなリンゴが枝いっぱいになっている。地面にもボロボロ落っこってるのだ。モッタイナイなぁ。途中の駅は無人駅が多い。たまに一人二人と降りて,窓越しに運転手さんに定期を見せて去っていく...
湯田中駅
バス停からカップルの跡をつける
12時7分。特急は,終点の湯田中駅にガタガタ飛び込んだ。電車を降りて,味わい深い(つまり古びた)駅舎を観察するのも早々に,バスへ。バスの運転手さんが「どちらへ行くんですか?」「渋温泉です」「ではどうぞ」──バスに飛び乗る。12時10分。バスはノロノロと出発した。バスの時刻は,電車の時間と連動しているらしい。
ホントは,湯田中駅から渋温泉までは歩いても30分くらい。歩いてもいいかと思っていたんだけど,せっかくバスが待っていたんだもの。長野県下高井郡山ノ内町の夜間瀬川沿いは,湯田中渋温泉郷といって,短い距離に数多くの温泉が点在する。このバスの乗車の間にも─湯田中温泉─星川温泉─安代温泉─そして,渋温泉とバスは走る。ほんの5分少々くらいの間に。どれもいい加減ひなびていますケド。ややあって,夜間瀬川にかかる渋湯橋の袂の”渋温泉入口”で,ボクタチはバスを降りた。はて。ここなのかなぁ?どうも温泉街のイメージと違うのだ。どんよりとした曇空。車が来ると,ハジッコに避けなくちゃならない狭い道。遙かに見える山は,テッペンが白くなっていた。
なんだか,歩いている人を殆ど見かけることが出来ない。ううーん。ボクタチといっしょにバスを降りた若いカップルの後を,トコトコ歩き出す。ティーンみたいだ。仲良さそうに手なんかつないじゃってるじゃないか。ボクタチは,カップルの後を,仲悪そうに少し離れてついていった。それにしても,この温泉は,相当シブーイ。フリンカップルの失楽園なら分かるケド,若いカップルが来るトコじゃなさそうだ。ボクもフリン旅行をする機会があったら,是非ここにしよっと。
地図中央の大?通りを北へ
まずは,今夜の旅館”金具屋”に荷物を預けて,それから外湯巡りをしようと考えたボクタチは,赤い和合橋から左(北)に折れる。トコトコトコ・・・おっ。温泉街っぽいいい風景になってきた。狭い道に赤い紅葉が鮮やかだ。いいなァ。突き当たりを左へ。すると,すぐに金具屋が見えてくる。
自動木の扉
これフロント
玄関は,大きな木(欅一枚板なのだ)の玄関。ムム!引き戸になっているのだろうか・・・と思ったら,「がー」自動ドアだった。ウムム。すごいフロントである。座椅子がふたつあって,ペタリと座る。「コンニチハー」「コンニチハー」叫んでいると,若女将(宿のHPで確認しといたのだ)が出てきた。「今日,予約しといた,みけねこシブガキ隊のものですが」「ええと。シブガキ隊様ですね。ハイ。確かに承っております。まだお部屋の準備が出来てないのですが」「荷物を預かってもらおうと思って。それから外湯巡りをしたいんですけど・・・」
荷物を頼んで,外湯のカギを借りる。それから,巡浴手拭いを一人づつもらった(これはプランのオマケ。普通は300円で買うのだ)。渋温泉には,外湯が九湯ある。地域の人々のためのものだが,宿に泊まった客にも開放されており,宿にある鍵を借りて,外湯のドアを開けて入浴出来るって仕組み。でも,実はこれは建前であり,橋を渡った川向こうにある駐車場を利用(500円)して,300円の巡浴手拭いを買うと,外湯の鍵を貸し出してくれるんですって。ズッルーイ!
其の三 「巡浴外湯巡り開始」
外湯の鍵
手拭いの袋だ
さて,まずはゴハンを食べよう。食事処は,前もって調べたガイドブックに載っていた玉川という蕎麦屋に行くことにした。と言っても,旅館からすぐなんですよね。中に入ろうとすると,狭い店内は結構込んでいて,待っている人もいる。しょーがないから,先に外湯に入ろっと。
玉川のはす向かいにあるのが,外湯巡りの一番目である”初湯”。鍵はイッコしかないので,まず女湯の鍵を開けて,彼女を押し込んでから,男湯の鍵を開ける。中からはオートロックになっているのだ。グフフ...誰もいないや。最初からラッキーである。皆さんは,ボクが如何に苦労して浴室の写真を撮っているかご存じないであろう・・・ホントは人が入っているのを撮れるといい写真になるんですよね〜。時たま,オシリとかベローンとマルダシの写真をのっけたHPを見かけるけど,どうやって撮っているのかなぁ?
一番湯である”初湯”は,外湯にしては,まずまず広めだと思う。入ってみると,アッチッチ!水道の蛇口から水をドバドバ出して,ソロリソロリ入る。いい気持ち。もちろん循環でなく,源泉そのままの湯でなので,外湯は超アチイのである。前に入った人が薄めてくれてればいいんだけど,前に人が入ってから時間が経ってると,まさに地獄の熱さである。灰色に濁った湯は,金気臭があった。温泉〜って感じである。
厄除け巡浴外湯巡りの 一番湯
僧行基が発見し,托鉢の鉢を洗ったことから”鉢湯”とされたのが変じ,”初湯”に。別名胃腸の湯とも言われる。
脱衣所に(外湯九湯唯一の)古い分析表があった。それによると,単純温泉で泉温66度とあった。10分ほどで,彼女を声を掛け合って湯から出る(上の方の男女湯の仕切は,そのためにないのだ)。女湯も結構熱かったみたい。最初の湯で,こんなにゆったり入ると,後がキツイかも知れないね。出口に置いてあるスタンプを,例の巡浴手拭いにポンポン押す。全部ハンコを押したら,満願成就なのである。面白いでしょ?
玉川
ざる蕎麦
そしてまた,玉川へ。入ってみると,席はいっぱいだが,待っている人はいなかった。シメシメ。しばらく待って,相席で座る。あれ?目の前の二人は例の失楽園の若フリン(これはみけねこが言ってるダケ)カップルじゃないか。仲良さそうにオカメソバなどを喰っておる。ボクタチは,ざる蕎麦650円也を注文した。なんてったって信州新蕎麦である。楽しみなのじゃ。待っている間に,どんどん客が来る。「9人なんですけど」「いっぱいなので,しばらくお待ちください」・・・結構,ここって,有名なんだ。
ざる蕎麦のお味は,うん。なかなか美味しかった(並んで待つほどじゃないと思うけど)。おなかがふくれたボクタチが,次に向かうは,もちろん二番湯。これまた,すぐ近くにあるのである。ここの通りが,渋温泉の目抜き通り=一番のお土産物屋さん街だと思うけど,人があんまり歩いていないなぁ。お土産物屋さんも実にヒマそうである。日曜日の午後ではあるんだけど,こんなものなのかな?結構寒いんだけど,浴衣にゲタの根性ある湯治客もいる。これには恐れ入った!
二番湯である”笹の湯”は,やっぱり人がいない。グッフッフ。幸運ですな。浴室は,タイルの古びた感じだ。わずかに濁りのある湯。「さて。入るどー」すばやく,スッポンポンになったボクは,ポチャリと足の爪の先を入れた・・・ジワジワジワ〜!「ギャー!」爪の先から脳天まで激震が走る。アチイ!初湯も熱かったが,これに比べれば氷水である。隣の女湯からも,彼女のウメキ声が聞こえてくる。相当熱いらしい・・・水をドバドバ入れたが,ヤケ笹の湯に水であり,とうてい太刀打ち出来ない。クッソ〜。しょうがないので,大量に加水した掛け湯で我慢ガマンなのである。
厄除け巡浴外湯巡りの 二番湯
昔は,笹やぶから温泉が湧き出していたらしい。湿疹や疱瘡に効き,病後にもいいので,仕上げの湯とも呼ばれる。
長野県下高井郡山ノ内町渋温泉
0269-33-2921(渋温泉旅館組合)
入浴時間:6:00〜22:00
*外湯九湯とも,全て同じ引き続き,二番湯から程ない場所にある三番湯である。「笹の湯」はよく入れなかったから,今度はゆっくり入ろう」と彼女と相談する。例の鍵で,女湯・男湯の順に扉を開ける。この鍵は,コピー不可能のキーなんですって。ムフフ。やっぱり,誰も入ってないや。含み笑いをしながら,ボクはマルハダカになると,足の爪の先を───ジンジンジ〜ン。ああっ。やっぱし。そんな気がしてたんだよなぁ。さっきの笹の湯とどちらが熱いだろうか。500度のお湯と1000度のお湯の熱さの違いは,人間の皮膚感覚で比べられるだろうか・・・などと考えていると,隣から彼女の嬉しそうなタメ息が聞こえてきた。「ああっ。サイコー。ちょうどいい湯だわ。ゆったりしちゃう」
お〜の〜れ。ボクは意地になって,水をドバドバ入れるがダメ。ジャバジャバ掛け湯をしていると,オジサンが入ってきた。お湯にチャポと手を入れて,ウーンと唸っている。ボクは,「水を入れてるトコに交代で入りましょうか」とオジサンに提案して,思い切って,左の足首を入・れ・た・・・・ジュッジュッジュ〜。フライパンのアブラに,ソーセージを入れるような音がした。フナフナフナ〜。そして,ボクは,早々に退散したのであった。その後,一日,ボクの左足は火傷したみたいに,ヒリヒリしていたのである。
厄除け巡浴外湯巡りの 三番湯
切り傷やおできの”わた”が取れることから,”綿の湯”と名付けられた。また,白い湯花が混じっていたからという説もある。皮膚病に効くとされ,特に婦人浴槽は,「子持の湯」とも呼ばれ,子宝に恵まれるとされる。
二番・三番とお風呂に入れなかったボクは,四番湯に勝負をかけることにした。今度は少し遠い。さっき通ってきた道をずっと戻り,和合橋の前の道の一本手前で左(東)に折れる。あったあった・・・”竹の湯”が・・・と思ったら,「只今清掃中」の札がぶら下がっているではないか。うーん。本当は順番に回りたかったんだけど,しょうがない。次行きますか・・・
五番湯である”松の湯”は,四番湯のさらに奥にある。ボクはすばやくフルチンに(だんだんと表現がイヤラシクなって来たので,これでやめますね)なると,浴室へ。残念ながら,ここで初めてオジサンがひとり入っていた。うぬぬ。写真のジャマなのじゃ。どうせなら,美少年の方がいいのになァ。浴室は,明るくて広め。透明な湯は,温度よろしく,実に気持ち良かった。しばらくの間,ウットリ。ここ,結構,名湯ではあるまいか。
女湯の方は,浴衣のオバサン三人組が入ってきて,ワサワサしていたそうである。ゾゾゾッ!
厄除け巡浴外湯巡りの 五番湯
神経痛や病後の回復期に効くとされる。四番湯と同じく地獄谷から木菅で引湯した時,松竹梅の松の名がつけられた。「あなたを待つ湯」などと昔の人がしゃれて言い,集会所の役目を果たしていたとされる。ここで少しインターバル。彼女が疲れた〜と言い出したので,缶コーヒーを買って,松の湯からまっすぐ先に行ったところにある,信玄かま風呂の階段の下にあるベンチで休憩だ。さすがに一気に四湯である。水分のなくなったボクタチには,缶コーヒーが実に美味しかった。
次に六番湯に行って,試しに鍵で,女湯をチョイと開けてみたら,オバサン三人組が,キャッキャと騒いでいるらしい。彼女がシブーイ顔をしている。オバサン方,「あたしのオトコゴロシの肌のハリみてよ〜。ハタチの小娘なんかにゃ負けないわ」とか自慢してるのかなぁ?まあ,もう順番は狂っちゃったし,先に次行くか。次。
七番湯,”七操の湯”は,六番湯の並びにあった。ちょっと鍵を開けてのぞき込むと,シメシメ。誰もいないゾ。ボクは,ゲヘゲヘと笑いながら・・・おっと,上品に表現しなくちゃ・・・生まれたままの自然な姿となって,シズシズと浴槽へ。うん。透明な湯は,泉温もちょうどいいや。隣の女湯からは,彼女の批評が聞こえてきた。「浴槽のハジッコに,ゲロみたいなのが溜まっているわ。かき回してみるね・・・うわっ。キモチワルーイ」ボクも,マネをしてかき混ぜてみた。「モワモワモワ」これは,湯花だ。鉄分が強いらしく,茶色っぽい感じがする。ボクは,喜んで,グルグルかき混ぜて,モワモワさせた。
厄除け巡浴外湯巡りの 七番湯
外傷性の障害や病気の回復期に効く。七つの病気に効くとも,七回入力すれば全快するとも言われる。 入口の木の立札に由来が書いてあるようだが,残念ながら文字が薄れ,読みとることは出来なかった。そして,さっきの六番湯,”目洗の湯”へ戻る。女湯をのぞいてみると(彼女がですヨ),幸い,オバサン三人組もどこかに去ったようである。浴室に入ると,むっ。これは広い(最後の渋大湯の次に広いのだ)。木の浴室の雰囲気もなかなかである。湯は,玉子スープのような湯花がプカプカしてて,まろやか。湯上がり感もさわやか。実に良かった!ここは,みけねこシブガキ隊の総意として,外湯九湯のベストとしたいと思う。
厄除け巡浴外湯巡りの 六番湯
昔から多くの人が眼病を治したと言われる眼に効く湯。また,肌がスベスベになる美人の湯とも呼ばれる。みけねこシブガキ隊のベスト1
御利益散歩道へ
ボクタチ,みけねこシブガキ隊は,少し湯当たり気味になってしまった。またまた休憩である。「御利益散歩道」という標識があったので,少し探検してみることにした。「夜になると,この散歩道は暗くなります」だって。この散歩道って,なんかいいことあるのかなぁ?
狭い路地を上がっていくと,温泉街の山手のお寺や神社を訪れる散歩道らしい。フーン?右へ行くと,温泉寺。ここは,確か,九湯回って,満願成就の時に行く寺なんですよね〜。今行っちゃダメだから,左に行こっと。
温泉街は,ごみごみしていた
お湯をかけましょう
さらに上に登ると,いろいろ寺社があるみたいだ。散歩道から見る温泉街は,むむ。ごみごみしてるね。ちょっと歩くと,”高薬師”というお寺があったので,ここでお賽銭を入れる・・・あれ!ここにも,例の巡浴手拭いに押すハンコが置いてある。コッチの端の方に押すのかなぁ?勝手に決め込んだボクタチは,せっかくだからと,ポンポン押してしまった。でも,後で分かるんですけど,これは失敗だったんです・・・
高薬師から温泉街に階段を降りる。そこは,金具屋の近くなのだが,目の前に”お湯かけ道祖神”があった。夫婦和合のシンボルなんですって。彼女は,「カワイー」とか言って,せっせとお湯をかけていた。これは,葛飾北斎が書いた絵をもとにしているそうである。うーん。ナルホド〜。写真には載せませんが,男女の顔がそれぞれ,男女のシンボルになっているのであった(その時は分かりませんでしたが,後で判明したのです)。やらしーと見てはイケマセン。夫婦仲良く,子孫繁栄を願ったものなのですから。さて,また身体も冷えちゃったし,行きますか。四番湯,”竹の湯”へ。そろそろ清掃中の札もなくなったかなぁ?トコトコトコ(よく歩き回るけど,温泉街は狭いからすぐ行けるのだ)・・・まだ,札は,ブラーンとぶら下がっていた。「おかしい」と思って扉を開けてのぞいてみると,なーんだ。大丈夫じゃん。
たぶん,源泉そのままだから熱いぞ〜と思っていたら・・・激ヌル。ウホー。ぬるいじゃ〜ん。よーく見たら,水道から水が出しっぱなし。なるほどね。ボクは水道の栓をキュッと止める。隣の女湯からは,彼女のヒメイが聞こえてきた。「キャー。熱いわ〜」「こっちは,ぬるぬるだよ。あ〜気持ちイイ。たまらなーい」・・・三番湯のフクシューである。ウハウハ言ってると,珍しく,若者が入ってきた。たまには来るんだなぁ。さて,出るか!実は,ちょっとぬるくて暖まれなかったんだ。
外に出ると,なぜか清掃中の札はなくなっていた。
厄除け巡浴外湯巡りの 四番湯
五番湯と同様,地獄谷より木菅で引湯したもの(松竹とあって,梅がないとは不思議である)。かなりの難事業ではなかったかと思われる。慢性痛風に効くとされる。
外に出ると,路面が濡れていた
木の板で源泉調整
いよいよラストが近づいて来た!次は,八番湯,”神明滝の湯”である。しかし・・・なんたることであろうか。「湯払中」の札が!湯払って,お湯を抜いているってコト?うーん?
しかし,中をのぞいてみると,大丈夫じゃん。しかも,誰もいないですし。広くはない浴室だが,木のぬくもりがやさしく,やや濁った湯は,やはり金気臭を感じる。うん。これはとても気に入った湯である。外から,車の音や人のざわめきが聞こえていた...
渋温泉の外湯は,左の写真のように,湯の出口のトコロを木の板をハメ込むことによって,熱い源泉が浴槽に流れ込まないように出来る。あとは,水を出して,温度を調整するってワケ。なかなか考えられているのだ。実は,これ・・・白状しますと,八番湯まできて,やっと気がついたのでした。そして,神明滝の湯から外に出ると,雨が今降ったように,路面が濡れていた。
厄除け巡浴外湯巡りの 八番湯
裏の神明山から湧き出,昔は,その源泉からこの場所に,滝のように落ちてくる打たせ湯となっていた。婦人病に効き,別名「子宝の湯」とされる。みけねこシブガキ隊のベスト3
ついに!九番湯にして,結願湯。”渋大湯”である!アチコチに点在する外湯巡りのため,ここの前を何度も行き来していたが,ようやく,入る時が来たのだ。ブルブルブル。ジョッジョッジョ〜(これは,感動している音です)ここは,道路から階段で下がったところにあって,男湯と女湯の入口は反対側となっている。入口前には飲泉所もある。さすがは渋温泉外湯の代表なのだ。男湯も女湯も,結構,人が入っているみたいだ。ここまでせっかく,中の写真を全部撮ってきたのだし,ボクタチは,人が少なくなるのをしばし待つこととした。右の写真は,江戸時代の銭湯の光景である。昔は,当然,混浴だったのだが,なかなか味わいがあるでしょう?淡々と入っている様子で,あんまりロマンチックじゃないですけど。
やっと,男湯に人がいなくなったようだっ!いくどー。シブガキ隊,行きま〜す
まずは,女湯の鍵を開け,それから男湯の鍵を開ける。一人だけ脱衣所の椅子にベローンとマルダシで座っているが,浴室には誰もいないや。グッフッフ。
脱衣所も浴槽も外湯最大の広さ。浴槽の真ん中に仕切があって,奥が激熱,手前が温湯となっている。今までの湯とはまったく違った茶褐色の湯は,鉄渋味がある。外湯一カ所を選ぶなら,ここに入れと言われる湯だ。脱衣所から,蒸し風呂の扉があるが,残念ながら故障中であった。
厄除け巡浴外湯巡りの 九番湯
万病に効くとされる大湯は,”結願湯”として,九湯巡りの総仕上げである。他の外湯とは異なるの茶褐色の湯。檜の蒸し風呂もある。
みけねこシブガキ隊のベスト2
緩和低張性高温泉,62.6度───渋温泉は1200年の昔,僧行基が諸国行脚の折り発見したとされる。枕の草子には,「有馬」「玉造」と並んでしるされている。
ボクタチが外に出ると,もう空は薄暗くなりだしていた・・・・・・
其の四 「金具屋へ」
終わった。ホセ・メンドーサと戦い終わった後のジョーみたいに,真っ白に燃え尽きたボクタチ”みけねこシブガキ隊”。
一応,これで温泉寺に行ってもいいのだが,実はまだ”番外湯”ってのが残っている。これは明日に回して,それから温泉寺にしよう。そう決めたボクタチは,そのまま今夜の宿・金具屋へ向かう。
ベランダから見る風景・・・
・・・クネクネと,廊下と階段を通って,ボクタチが案内された部屋は,居人荘二階”杏林”。やっぱり金具屋はスゴイ。入口の間?居間?ステンドグラスと暖炉の大正風ベランダの間?そして,樽みたいな風呂の間?。かなり複雑で贅沢な作りである。ボクタチは,大喜びで部屋の探検を行った。気密性のいい今風の旅館じゃない。妙に豪勢だったり,隙間が開いていたり。無駄なデッドスペースも多い。これは,本物の贅沢だと思う。
妙なベランダの部屋から外を見る。小さな庭園が。石灯籠の下から明かりが漏れ,嬉しそうな女性の声が聞こえて来た。たぶん,あそこは,浪漫風呂の空気穴だろう。ふと,上を見上げる・・・美しい。今から247年前,宝暦四年のこと。渋は,裏山の「神明山」が崩れ,壊滅的なダメージを受ける。現在の渋温泉が傾斜地に沿うように作られているのは,崩れた土砂の上に町を再建したためである。その再建中に,松代藩出入りの鍛冶屋の敷地から温泉が湧出した。鍛冶屋は,藩主から宿を作る許しと,「金具屋」の命名をもらって,宝暦八年にこの金具屋を創業したのであった。
夕食まで時間があったので,温泉饅頭を食べて少し元気が出たボクタチは,外に出ることにした。金具屋の夜の写真を撮りたいと思ったのだ。押入に足袋がある。ボクはこれを履いて,ゲタでカランコロン歩き回りたかったのだが,彼女が「寒いわよ〜」と脅すので,断念。玄関にあったサンダルを履いて,夜の渋温泉街へ繰り出した。
→ 金具屋・ライトアップ前
金具屋・ライトアップ後
どうも雨っぽい。まずは,表に回って金具屋の写真を撮ろうとしたが...これは,金具屋のHPを見て,千と千尋の油屋みたいだと思ったボクが是非撮りたかった写真なのだ。しかし,全然ダメ。暗っぽくてうーん。デジカメでいろいろ調整してみたけど,ダメなものは金輪際ダメ。ウォ〜ン!クヤシー。しょうがないので,少し温泉街を歩いてみることにした。
金具屋の前の通りを西にずっと行ってみて,それから夜間瀬川沿いの道へ。クルリと一回りしてみようか。まだ夕方6時頃だというのに,あまり歩いている人もいない。ボロッチイ旅館の前で,旅館の人が到着の遅いお客を待っているようだ。ときたま,浴衣姿の人々がお土産物屋さんの中をのぞきこんでいる。射的屋をメッケたが,中に誰もいないので,入らないちゃった。お?グフフ?路地にヌード劇場があるじゃないか。グフフ・・・「あれみて。ストリップ劇場だよ。劇団四季のライオンキングみないな楽しいショーをやってるんだ」横目で彼女を見る。彼女の言によると,仲居さんとか女将さんとかがアルバイトで踊り子をやっているに違いないというのだが,ホントかなぁ?
そして,30分くらいで一回りして金具屋の前まで戻ってくると・・・ライトアップされた金具屋は,あの「千と千尋の物語」の油屋のイメージそのままだった。
慶雲の間
お料理なのだ
部屋に戻って,複雑怪奇な階段とエレベーターを伝って,6階にあるお食事処”慶雲の間”へ向かう。この金具屋の中心の建物(右上の写真)は,木造4階建ての斉月楼だが,釘を使わない木の組み合わせのこの建物は,現在ではもう建てることは出来ないという。そこからどんどん建増をしているため,金具屋は,全体としてかなり複雑な作りとなっているわけだ。
少し迷いながらも,慶雲の間に着くと,そこは4組くらいのテーブルが衝立で仕切ってあった。この慶雲の間は,善光寺を手がけた宮大工さんによる新しい宴会場なのだそうである。
お料理は,信州牛のしゃぶしゃぶ,キノコ土瓶蒸し,馬刺,栗ご飯などで,とても美味しかった。隣の家族(老夫婦と娘)と写真をトリッコしたが,そのオネーサンは写真がヘタクソで,全然写っていなかった。
ふくれたお腹をかかえて部屋に(すでに布団が敷いてあった)戻ったボクタチは,「もう温泉なんかコリゴリだ」と言いつつも,さっそくタオルを持って館内温泉巡りに行くことにする。気が乗らないけど,仕方ない・・・そこに温泉があるんですもの。さて,この旅館,露天男女・大浴場2・家族風呂5,合計九湯もあるんです。さて・・・困った。どこに行きましょうか。
和予の湯
床には水車の輪板が
困ったボクタチは,相談の上,一階にある貸切風呂の”和予の湯”へ。行ってみると,夫婦と子供のファミリーが入って鍵を閉めていたので,しばし隣の応接間で待つ。ボクとしては,その家族といっしょに入っても,いっこうに差し支えはないんだけどね。
そして,家族連れと入れ替わりに和予の湯へ。広い!舟形の浴槽は,普通の旅館の大浴場くらいあるだろう。床には,元鍛冶職らしく水車の輪板が埋め込まれている。舟の真ん中には枕代わりの板が。いいキモチ。泉質は,この金具屋は四カ所の源泉をもっており,ここと露天は,含硫黄ナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉),98.0度なんだって。フ〜。長い。ボクタチが入っている間にも,ワシワシ家族風呂の扉を開けようと来る客がいた。女性だったら,入っても良かったんですけど。
勢いづいたボクタチは,次なる貸切風呂”岩窟の湯”へ向かう。ここへは,階段を下って”潜龍荘”に行き,また階段を登ったところにある。複雑なんだけど,面白いなぁ。
岩窟の湯
”岩窟の湯”は,まるでサウナのよう。そんなに広くはないが,壁から天井まで石で囲まれているのだ。源泉そのままの湯・・・ウィー。
さすがに,昼間っから温泉に入りっぱなしである。いつもなら,宿の温泉も全湯制覇を目指すところであるが・・・千湯を目的とするボクタチの決まりでは,宿の中の湯は,何湯入っても一湯のカウントなのである。部屋に戻って,街で買ってきといたウメッシュを飲む。ンマーイ。温泉に梅酒って何故か合うんだよナァ。
突然,彼女が,大浴場・浪漫風呂に行きたいと言い出した。ムム。さすがにお目が高い。なかなかの通である。浪漫風呂(廊下の案内では「ローマ風呂」とあった)ステンドグラスの湯で,泥湯の美人の湯なのである。ただ,女湯(0時で男女入れ替わり)なので,ボクも一緒に入るワケにもいかないので,ボクは,龍瑞露天風呂に出かけることにした。
龍瑞露天風呂
龍瑞露天風呂は,階段で三階まで上って,廊下を”神明の館”まで行って,それから階段を一つ登る。露天に出ると,空からかすかに雨が降っていた。暗さと湯煙でよく見えないが,湯船は浅間山噴火で出来た赤と黒の浅間石でつくられているそうだ。真ん中に,デベソみたいな石があって,ここから湯が出ているのだ。オジサンが二人入っている・・・おっ。出た出た。急いで脱衣所からカメラを持ってくる。パチリパチリ。
そう言えば,今日は獅子座流星群が見えるとテレビで言っていたな・・・しかし,空を見上げても,雨粒が落ちてくるばかりだった。ボクタチは,部屋に戻り,布団の中に潜り込んで,ブルブル震えていた。寒いなぁ。この部屋,外との換気が良すぎて,すきま風っぽいのである。
明日は,外湯の番外湯に入って,温泉寺。それから,どうしようかなぁ?・・・今回の旅行って,あんまり計画を立ててなかったんだ・・・そして,いつの間にか眠ってしまったのであった。
其の五 「シブーイ朝」
浪漫風呂
───渋温泉の朝。
起き出すのも早々に,眠い眼をこすりながらお風呂に出かける。今度は,ボクは夕べ入れなかった”浪漫風呂”へ。彼女は”龍瑞露天風呂”へ。ステンドグラスからほのかな明かりの中,モウモウと立ち込める湯気。いつもだったら,「ウオー!サイコウだぁ。コウフンしちゃう。ハァハァ。たまらねェ!アハーン」と言うボクであるが,なんか,温泉に入り過ぎちゃったから,感動も薄れっちゃうのだろう。泉質は,渋大湯と同じく茶褐色に濁り,ナトリウム・カルシウム 塩化物・硫酸塩温泉(中性低張性高温泉)となっている。
アサゴハン
そして,朝ご飯を食べに,夕べと同じ”慶雲の間”へ。うっ。豪華。夕食並じゃん。ボクは朝はあまり食べられないタチなんだけど,ボクの大好きな麦トロゴハンなのだ。ンま〜い!ガツガツガツッ。ゲヘッ。ウメエ。ボクは上品にニッコリした。
仲居さんが,「駅までバスを8時50分か,9時50分に出しますが,ご利用されますか?」と聞いてきた。うーん。ボクタチは,眉にシワをよせた。9時50分じゃ早すぎるよね・・・「いや,いいです」8時50分。チェックアウト。またまた,是非バスに乗っていくように誘われたけど,有り難くお断りした。金具屋。全29室あるが,全て作りが異なるらしい。またいつか泊まりに来てみたいと思う,本当に数少ない旅館だと思う。
歴史の宿
金具屋長野県下高井郡山ノ内街渋温泉
0269-33-3131含硫黄・ナトリウム・カルシウム・硫酸塩塩化物温泉 内(浪漫風呂・鎌倉風呂)露天(龍瑞露天風呂2)貸切(美妙の湯・恵和の湯・子安の湯・岩窟の湯・和予の湯)
温泉寺の境内にある最後の番外湯は,営業が10時からだ。観光案内を見ていたボクは,名案を思いついた。川向こうに喫茶店があって,朝早くからやってるだ。そこの女主人は71歳なんだけど,ドイツ人からコーヒーの入れ方を教わったんですって。行ってみよーっ!そして,ボクタチは,ポクポク道を歩き出した。なんだか,雨っぽいなァ。
夜間瀬川を渡って,例のオバアサンの喫茶店を探す・・・これかな?あれれ?閉まってる。ウオーン!オバアチャン,病気なのかなァ。しかも,雨が次第に本降りになってきちゃった。ボクタチは,シブガキ隊に相応しく,シブ〜イ顔をして傘を差し,クルリと温泉街のメイン通りに戻った。うーつらい。
お土産物屋を探索して,羽田甘精堂って店で,渋名物・はやそばもちを買う。お土産用にいっぱい買ったら,サービスに温泉饅頭を二コくれた。ありがてえ!金具屋の向かいの旅館の前に,一個50円温泉タマゴがあった(ウマソウ。じゅるる〜)ので,お金を貯金箱にポローンボローンと入れて,二個もらう。やっぱり温泉タマゴって,半熟なんだけど,暖かいから美味しいね。でも,ああ。タイクツ。バスの時刻表を見に行ったら,良さそうなバスは,11時3分だって。あと,1時間以上あるヨ。うー寒ぶ寒ぶ。
其の六 「ついに満願成就!」
ここの階段を登ったトコなんだ
そして・・・ようやく,10時になったので,階段を上って信玄かま風呂へ。ひ〜寒かった。やっと温泉に入れる。ボクタチは,手をこすり合わせて,「ウッシッシ」と言った。
しかし,あれ?開いてないゾ。う〜そ〜。イヤーン。ボクタチは,ガックリして顔を見合わせた。嗚呼。無情。こんなことがあっていいのだろうか!ジャン・バルジャンのように天を睨んで嘆息していたボクタチだったが・・・「ゴトゴトゴト」・・・中で動く音がすると,箒を持ったオジサンが出てきたのである!良かったぁ!
右の衝立の向こうが男湯だ
真っ先に中に入ったボクタチは,箒のオジサンに一人300円払って怪しい階段を地下へ。むむっ。そこは,ますます怪しい雰囲気だった。例の男女和合の道祖神様が祭られている。そして,狭い入口を潜って,かま風呂へ。脱衣所の先は,小さな浴室の部屋。浴槽に手を入れてみると,予想通りの超熱さ。ジィ〜ン。その奥の扉の向こうかま風呂だ・・・そこは,すごい湯気。写真を撮ったが,曇ってしまって,見事に失敗である。
かま風呂は,10畳くらいの広さだろうか。四面はコンクリートになっており,床にはビニールのゴザ。藤の枕がいくつか置いてあって,これで寝ころぶのである。最初はそうでもなかったが,汗がモワモワ出てくる。お尻がひどく熱いので,お尻の下にタオルを敷いたが,やっぱりアチイのだ。
30分後,ボクタチは,この信玄かま風呂を口々に褒め称えながら出たのであった。ここは,本当にすばらしいと思う。通常であれば,渋温泉外湯で,観光客が唯一立ち寄りが可能な湯であるが,ここは,300円を払う価値は充分あるどころか,是非とも入るべきだと思う!
厄除け巡浴外湯巡りの 番外湯
温泉寺の境内にあり,かつては薬湯寺の湯と呼ばれ,武田信玄が将兵の傷を癒した温泉とされる。僧行基縁の京都東福寺を真似て1984年に作られた。
長野県下高井郡山ノ内町渋温泉
0269-33-5730,弱アルカリ性塩分鉄泉
10〜18時,木曜休,300円
温泉寺
そして,お隣の温泉寺へ。巡浴手拭いに最後のハンコを押して,満願成就なのだ。キョロキョロ?・・・しかし,温泉寺のどこを見ても,ハンコが置いていない。まさか!・・・そう。満願成就は,昨日行っちゃった高薬師だったのである!ボクタチは,いかにもそれらしい温泉寺という名前でカンチガイしてしまったのである。
そこで,大急ぎで御利益散歩道を通って,高薬師に再度お参りだ。薬師如来に祈願する。最後に真ん中にハンコをポンポン!いいことありますように。ついに,結願だ!二回も来ちゃったけど,大丈夫ですよね?こんなに苦労したんですもの───。
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満
願
成
就
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其の七 「牛に引かれて善光寺」
湯田中駅の改札前で
長野駅にて「青汁まず〜い!」
そろそろバスの時間だ。バス停に急ぐボクタチ。時間通りバスはやって来る。さらば!渋温泉。渋和合橋のバス停から長野電鉄湯田中駅へバスはトコトコ走る。湯田中駅で空を見上げると,雲は厚いようだが,雨はもうやんだみたいだった。
そして,駅から11時20分発。またまたガラガラ空きまくっている特急の一番前の席に座って,50分弱のローカル線の旅だ。さあ,長野でどうしよう?彼女が,まだ善光寺に行ったことがないと言う(ボクは,昔,仕事のついでに寄ったことがあるのだ)。よーし。じゃ,善光寺だ。12時7分。長野駅到着!地下鉄から外に出て,JR長野駅のコインロッカーに荷物を入れようと階段を登っていった時,彼女が「あっ!」と叫んだ。驚いてキョロキョロするボクの眼に入ってきたのは・・・アッチにカメラマンとスタッフに囲まれた芸能人らしき姿が。あれは・・・確か・・・青汁の人だ!コマーシャルで青汁を飲んで,「ううっ〜不味いっ!もう二度と飲まねぇ!」と叫んでいた人である。悪役を主にやってきた人だが,普段から顔をしかめながら青汁なんか飲んでいるもんだから,きっと,悪党顔になっちゃったんだろうと思う。彼女を見ると,スマップとかタヌキントリオとかを見かけたように,ウットリと青汁の人を見つめている。サイン帳を片手に今にも飛んでいきそうだ。無理もないか。まあ,ウチの田舎じゃ,芸能人なんかコレッポッチも見かけないからなァ・・・
そして,青汁の人はお供のカメラマンを引き連れてノシノシとホームへ降りていったのであった。テレビの温泉番組かなんかで,旅館で料理を食べて「まず〜い!オェ」とかやるのかなぁ?さて,我々は,駅前の大通りをトコトコ歩き出す。店先では,大粒のリンゴがいっぱい売ってるのだ。途中途中足をとめてのぞいていると,お店のオバサンが桂三枝みたいなキモチワルイ鼻声で「いらっしゃ〜い」と出てくる。どうしてボクがリンゴを欲しがっているのが分かるんだろう?彼女によると,長野でリンゴなんか見ようとする人は観光客に決まっているからだそうだ。成るほど。コッチの人はリンゴなんか喰い飽きているし,欲しければ道端にいくらでも落ちていますものね。たぶん。
善光寺正面手前の”太田屋”。お勧めだよ
善光寺近し
オナカ空いたなぁ。ペコペコ。やっぱりお蕎麦がイイと思ったボクタチは,かなり善光寺参道に近いあたりで,ふと小さなお蕎麦屋(太田屋ってとこ)さんに入った。なんだか,ウマソウな雰囲気がしたのである。これは正解だった。お昼のランチみたいだが,左の天モリだが,なんと670円である。それが,美味しくて美味しくて。カリカリとしたテンプラのあまりのウマサに,ボクは普段しないことをした。エビのシッポを食べたのであるっ!ブスッ!・・・そう。凶器のようにとんがったエビのシッポは,ボクの口の上のトコに突き刺さっちゃったのである。フナフナ〜。血が出てきちゃったみたい。でも,ボクは雄々しくも,蕎麦湯を頼んで,ゴクゴク飲んじゃったのであった。
次第に,正面に善光寺が近づいてくる...空が明るく,青くなってきた。道の両脇に露店が並びだした。「プーレク宿原」ですって。ぷぷっ。
モクモクモク・・・ずいぶん,長い参道じゃ。百聞は一見にしかず。言葉で説明するより,写真でご覧くださいネ。
平日・月曜日の午後1時半頃だってのに,善光寺は信心深い善男善女であふれていた。ボクタチ・みけねこシブガキ隊・悪男悪女は,トコトコ境内に歩いていった。
善光寺本堂
お守り自販機」
「遠くとも一度は詣れ善光寺」善光寺は,642年創建された。秘仏のご本尊は日本最古とされ,いずれの宗派にも属さぬ寺として,またすべての人の往生極楽の門として信仰を集める真宗の古刹である。
おおっ!見よ。有り難いお守りが自動販売機で売っておる。恐るべし。善光寺。
さて,ボクタチは,本堂の中に入り,自動販売機で参拝券(一人500円)を買ってお戒壇めぐりである。ボクタチは,受付で券を見せて,その先の階段を下った・・・そこは,暗闇の世界。マジコワ。一寸先も闇である。右手で壁にさわりながら歩くと,宝の鍵があるというのだ。そろ・そろ・そろ・ボクが前に彼女が後ろに。ずっと前の方で声がする・・・と,ボクは前の人に「ノシッ」とぶつかってしまった。「すみません」「前がつまっているみたいですね」とやさしい女性の声。キンチョーするなァ。さらに,ゆっくりゆっくり。女の人のお尻に触ると,チカンになっちゃう・・・前の方で,「ガチャリガチャリ」と音。「ああ。ここみたいですね」「ガチャガチャ」・・・「ここだよ。ここ」ボクは,固くてヘンなものをガチャガチャやった。それからまた,ゆるりゆるりと歩いて,角を曲がると明かりが見えてきて・・・そして,階段を登ると,本堂内に戻ることが出来たのである。
「こわかったね〜」「うん。こわかった」
善光寺資料館
この参拝券を片手に,次は”経蔵”へ。中には,デッカイ八角の輪蔵があって,これをグルグル回すと,一切経全てを読んだと同じ功徳を得られるというスグレモノなのだが,文化財なので,勝手に回してはイケナイのである。次にボクタチが向かったのが,善光寺資料館。ここには,いろんな什器があるのだ。よくあるのは,お坊さんやら町民やらが,善光寺本堂?の上に浮かんでいる如来様を拝んでいて,如来様からそのお坊さんやら町民やらに,ピカーと金色の光がレーザー光線のように走っている絵。おそらくこれは,お坊さんやら町民やらが,ここ善光寺で,如来様を見て,そのことを絵にして奉納したやつだと思うんだ。サカナ売りの町民のヘタクソな絵まである・・・。ここで,如来様に出会ったら,ボクタチも大金を出して,画家に絵を描いてもらい,奉納しなくちゃならないんだ。うーん。大変じゃ。
ここに,有名な「牛に引かれて善光寺まいり」の故事が書いてあったので,紹介したいと思う。
ホルスタインだったのね
昔々,この地方のとある女が川で衣類を洗っていた。「ブモー!」そこに突如現れたのは,巨大な牛であった。牛は,干してあった女の下履きを角に引っかけると,猛然と走り出したのである。「キャー。あたしの勝負下着よ!」女は,叫ぶと必死に牛を追いかけた。しかし,牛は早い早い。女は,何度もくじけそうになったが,牛は,その度に振り返って,角に引っかかったパンティを長い舌でペロリとなめて,ニタリを笑うのだ。「お〜の〜れ〜」女は,怒り倍増で,またまた疾風のように追いかけたのである・・・何時間追いかけただろうか。気がつくと,日は傾いており,女はひとり善光寺の境内にいた。牛の姿は,どこにもなかった。ふと,女が下を見ると,あのパンティをペロペロしていた牛のヨダレが,糸のように伸びて,言葉となって,夕暮れに光っていた───「うしとのみ 思い放ちそこの道に なれを導くおのが心を 」(牛と思っていたでしょうが,あなたを導く私の心が分かったでしょうか?)───
女は,その後,生涯信心して暮らしたという・・・そして,ボクタチは善光寺資料館の脇の茂みで発見したのである。如来様がその昔,姿を借りたその牛を!
さて,これで,ボクタチの”みけねこシブガキ隊”の冒険は終わりとなる。
善光寺から長野駅まで歩いて戻って,お土産を買って(もちろん,リンゴも!イッコ500円のやつ),17時2分発の新幹線・あさま528号に乗る──我が家に着いたのは,夜9時半近かった。いつも最後を締めくくるのは難しいですけど・・・ああ。面白かった!また行きたいな。どこか知らない場所へ。みけねこ○○隊は──